ごんぎつね 手袋を買いに Gon, the Fox: Buying Some Glovesの英語を聴いて読む

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私は「CD付 ごんぎつね 手袋を買いに Gon, the Fox: Buying Some Gloves」を2011年7月に購入していました。本書はTOEIC 300点以上、英検4級以上を対象としています。新美南吉の童話の同タイトルの英訳と音声CDがついています。小学校の教科書にも取り上げられているわたしたち日本人にとってなじみの深い作品の英語版だけに話が理解できるので、いい教材です。翻訳はマイケル・ブレーズです。
かわいいイラストが本書の中で描かれていて、視覚的にも理解しやすいようになっています。
本書とは違いますが、ラジオ英会話2013年7月号8月号でも「ごんぎつね」が取り上げられていました。こちらはラジオ英会話の講師の遠山顕先生が翻訳しています。どちらも読んだ私としては、両方の翻訳が甲乙付けがたく、すばらしいですが、あえて違いを説明します。

原作のはじめは以下です。

これは、私が小さいときに、村の茂平というおじいさんからきいたお話です。

マイケル・ブレーズ訳はわかりやすくできるだけ簡単な語いで描写しています。
はじめは以下のようになっています。

When I was little, I heard this story from an old man living in our village.

ラジオ英会話2013年7・8月号の遠山顕先生の訳は、原作の中で使われている語いを使うことで、原作を忠実に再現しています。その分読者を選びます。
はじめは以下のようになっています。

Once upon a time there was a place called Nakayama and a lord called Nakayama-sama ruled the land.

ラジオ英会話は、CEFRレベルB1ですので対象とする学習者は英検2級を受験する方、TOEIC550以上785未満となっています。
ですので、マイケル・ブレーズ訳の「CD付 ごんぎつね 手袋を買いに Gon, the Fox: Buying Some Gloves」の対象としている読者であるTOEIC 300点以上、英検4級以上より難しくなるのはある程度やむを得ないのかなと思います。
個人的には、遠山顕先生の訳が好きで、原作を思い出させてくれました。

残念ながらラジオ英会話2013年7・8月号は中古でしか手に入らないので入手困難となっています。
私が感じた、ごんぎつねの2つの英訳の比較は以上とします。

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ごんぎつねと手袋を買いにの2本立て

「CD付 ごんぎつね 手袋を買いに Gon, the Fox: Buying Some Gloves」はタイトルが示すように「手袋を買いに」も収録されています。
私は、原作の「ごんぎつね」も「手袋を買いに」もどちらも好きですが、最後がハッピーエンドの「手袋を買いに」の方が好きです。
私が小学校の時に「ごんぎつね」を読んだときは、正直理解できませんでした。
「何でこんな悲しい結末なのだろう」と子供心に思いました。
今ですと、新美南吉の厳しい現実から来る作者の化身としての「ごん」を描きたかったのではないかと思います。
一方で「手袋を買いに」では、南吉が幼くして実の母を亡くした事による、理想の母親と子どもとのふれあいを描きたかったのではないかと思います。
本書の巻末には語いと訳が掲載されていますので、辞書を引かなくても本書だけで勉強出来るように工夫させています。
また、原作は青空文庫で読むことができます。
この場を借りて、ボランティアで入力、校正、製作された方に感謝申し上げます。

ごん狐

手袋を買いに

何度も読み聞きして慣れる

本書は語いも平易ですし、音声の収録時間も、34分39秒と短いですので、何度も音声を聴きながら、読んでいくことをお勧めします。
そして、聞き慣れてきたら、自分でも読んでみるといいでしょう。
何度も聞き読んでいくうちに、語い、発音、イントネーションといった英語を勉強する上で必要なことが身についてきます。
語学の勉強は一朝一夕で結果がでるものではありません。
根気のいる地道な勉強を繰り返していくことが必要です。
勉強をしていく上で自分なりの工夫した勉強法も身についていきます。

少しずつでも前向きに努力

NHK英語講座の攻略!英語リスニング講師、柴原智幸先生のお言葉を紹介します。
「語学学習においては、努力は決して無駄になりません。あせらず、たゆまず、コツコツと、取り組んでください。」
語学学習をしている人にとても心を打たれるお言葉で、私自身行き詰まったときにこのお言葉に励まされたことがあります。
本書とは直接関係ないですが、このお言葉を通じてあなたの語学学習に前向きに取り組んでいただければ幸いです。

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